小学校低学年の息子の語彙力を上げるべく、ちょっと文字の多い児童文庫を自分で読むように差し向けていた筆者ですが、どうも上手くいかない。「それならまずは私が読み聞かせてしまえ!」と風邪で学校をお休みしたのをきっかけに始めた朗読。初めてみたらなんと大ヒット!寝る前の絵本の読み聞かせが、いつの間にか本の朗読に。この記事では、実際に朗読をして低学年の息子にヒットした作品をまとめました。
本の朗読をするようになってから、息子の世界はどんどん広がってんだ。語彙力急上昇にびっくらこいたっぺよ!
朗読をするようになってからの変化
絵本よりも使われている言葉が難しい傾向にあるので、「それってどういう意味?」から始まって覚えた言葉が、日常生活における何気ない瞬間に出てきたりと語彙力の向上を感じます。
また、言葉だけを聞いている状態なので、「聞く力」と「想像力」が格段にアップすることにより、会話中でも理解力が向上し、大人の会話に頻繁に入って来れるようになりました。
そして信じられないことに!
「文字量の多い児童文庫を読ませたいが無理!」という状況が嘘の様に、みずから本を手に取るようになったのです。
「本一冊朗読なんて大変!」と驚かれる方もいるかもしれませんが、やってみると意外に楽しいですよ。もしも思い通りにならずヤキモキしているのであれば、是非トライしてみてください。
選ぶ本は児童文庫に限る必要はない
筆者の経験上、無理に児童文庫から選ばなくても良いと思っています。
ただ、児童文庫ではないということは、選ぶ本によっては児童に好ましくない表現や内容が含まれている可能性もあります。
ご自分で一度読んだことのあるもので、内容を把握していると安心ですね。
余談ですが・・・
中学生のお姉ちゃんの『図書館だより』におすすめの本として『もものかんづめ』(さくらももこ著)を発見。
過去に自分が読んで腹がよじれるほど笑ったのを思い出して、「小3でも問題ないでしょう」と試しに中身をサラッと見ることもなく朗読に入ったのですが、反応がイマイチ。
笑いをこらえて声が震えて盛り上がっているのはなぜか私だけ(汗)
唯一爆笑していたのが、花見宴会中に出現した同僚の『セミ男』、そして『結婚式の父ヒロシ』のくだりのみ。
また、その後『さるのこしかけ』(さくらももこ著)も最後まで読破したのですが、成人向けの内容も含まれていたので、その辺はごまかして飛ばし読み(汗)
小3男子にとっては面白さが伝わりにくいものもあったかもしれません。難しい語彙が頻出することも原因の一つだと思われます。
※さくらももこ氏だって、まさか小3に朗読されると思って書いた訳ではないことは間違いない。
・・・・そんなこともありますので、児童文庫以外を選ぶ際にはしっかりと中身を確認しましょう!
んでもインド旅行とか民間療法の話みってーな小3男子の好奇心をくすぐって、世界を広げる面白い内容も豊富であることも確か。何より、「やっぱりこの本辞める」とならず読み聞かせの時間を楽しみにしていたので、面白かったんだっぺな。
低学年~中学年男の子にヒットした朗読本4選
低学年~中学年男子にヒットした朗読本もくじ
ドリトル先生アフリカへ行く
作:ヒュー・ロフティング 訳:河合 祥一郎
2020年には映画化も実現されている古くからの名作『ドリトル先生』シリーズ。
この本を皮切りに絵本から切り替わった当時小2の息子。
言葉を聞き取りながら、その場面を想像して笑う姿、そして、たまに出てくる小さな挿絵に身を乗り出して反応する姿がとても印象的でした。
『医者』という名誉ある職に就きつつも貧乏で他の人間とはまた一風変わったドリトル先生の行動に笑いを交えつつ、普段とはまた違った角度で世界を見るきっかけにもなったのではないでしょうか。
人間の利己的な部分も数多く垣間見たことでしょう。
『本当の幸せとは?』と改めて考えさせられる本です。
新訳バージョンは、1951~79年にかけて翻訳出版されたものが更に読みやすく改訂されており、朗読しやすくなっていました。
伝わるメッセージ
- 本当の幸せを見失わないで
- 仲間を信頼し助け合うことの素晴らしさ
- 命あるものすべてに敬意をもち、思いやることの大切さ
英書はこちら。ネイティブの9歳~11歳対象とされています。
バイリンガル教育をされている方は、英語での朗読も◎。
君たちはどう生きるか
『君たちはどう生きるか』 は、 2023年7月に宮﨑駿監督によってアニメーション映画化が実現しました。その中でも、本書を手に取る主人公が描かれています。
本書は劇中、主人公の行動に変化を与えるほどの影響力があり、「実際どのようなことが書かれているのだろうか?」と気になった人も少なくないと思います。
我が家でも、映画がきっかけとなり朗読することになりました(映画も素晴らしく、この宇宙に生かされている人間のうちの一人として、『生き方』を深く考えさせられる内容でした)。
本書は、内容が抽象的なことであったり科学的なことであったり、難しい部分は説明を付け加える必要がありますが、子供にとって最も身近な、学校や友達関係で主人公が悩み考えたことを、叔父さんと共に「どうすることが正しかったのか?」より深く掘り下げて考えて行く内容であるため、小学校3年生男子がコペル君と一緒に考えながら飽きずに1冊聞くことができました。
「~くんがしたこと、どう思った?」「もし自分がコペル君だったら、この時どうしてる?」等息子と対話しながら、とても良い時間を過ごせました。
物語の先が気になって「もう一章!」となって寝るのが遅くなってしまうのには参りましたが^^;
伝わるメッセージ
- 自分の中の良心を忘れないで
- 善く生善く上で勇気は必要不可欠
- 心ある友達を大切に
意外にも小3息子にはナポレオンの話が深く印象に残っていた様で、「学校の図書室でナポレオンの本を借りた!」というのには驚きました。
読書による知識や世界の広がりを目の当たりにした瞬間でした。
奇跡のバックホーム
野球好きの少年におすすめの良書です。
横田選手は、鹿児島実業からドラフト2位で阪神に入団するも脳腫瘍が発覚。決死の闘病生活を送りながら一軍復帰を目指すもかなわず24歳で引退。引退後は、最期まで同じく闘病している人たちに元気や勇気を与えるべく講演活動をされていました。
阪神タイガースが優18年ぶりに優勝を果たした時、横田選手のユニフォーム「24」も共に胴上げされていましたね。横田選手のお人柄が伺えます。
息子(当時小学校3年生)は、横田選手の努力の軌跡を追って、「すごいなぁ…」とただただ、感嘆のため息を漏らしていました。現在頑張っているのは違うスポーツだけれども、すごい人はそれだけ努力しているということが、横田選手を通して理解できたのではないでしょうか。
そして、「病気と闘う」ということは、またさらに大変なことであるということも。
苦境に陥っても、周りの人々への感謝の気持ちを忘れず、様々なことにひたむきに、誠実に前を向いて努力する横田選手の姿を、この本を通して息子に伝えられて、朗読後母として清々しい気持ちにさえなったものです。
横田選手、ありがとうございます。もっとたくさんの方々にこの本を読んでもらいたいです。
伝わるメッセージ
- すごい人は努力している
- 身体が健康であることは、何にも代えがたい幸せである
- 周りの人たちへの感謝の気持ちを忘れないで
- 誠実であれ
- 病気をもつ人の心の痛み
野球と言えば、絵本『耳の聞こえないメジャーリーガー ウィリアム・ホイ』もおすすめだよ!6年生の最後の読み聞かせで読んだんだげども、野球の分からない子の心をも動かす一冊間違いなしだべ!詳しくは、『【6年生3月最後の読み聞かせ】もうすぐ卒業する6年生にぴったりの絵本3選』を読んでみてくんちょ。
ホームレス中学生
いたるところに笑いが散りばめられており、読むほうも声を震わせてしまう場面も多々。
子供の好きなう〇こネタも満載。
小3息子、ケラケラ笑いながら聞いてました。
しかしこの本、笑わせてくれるだけではありません。感動して泣けでしまう場面もチラホラ。
笑いあり涙あり最後まで飽きることなく読み終えることのできる良書です。
伝わるメッセージ
- ホームレスの生活は大変。おうちがあるって幸せなこと…
- 人は助け合いながら生きている
- 周りの人への感謝の気持ちを忘れないで
まとめ
「こんな選択肢もアリか!」
読んだ私自身が思いました(笑)
この記事が、読者さんの何らかの発見やきっかけになれましたらとても嬉しいです。