出来たばかりの住宅を見ると、職業柄必ず植栽をチェックしてしまうんですよね。
販売期間中に植栽がジャングル化してしまった建売住宅。明らかにサイズ感に誤りのあるシンボルツリー。見かけたことありませんか?
この先長く住むことになる我が家のイメージに大いに影響する植栽。外注する場合、木を一本植えるだけでも数万円。当然、できる限り「長く美しさを保てるおしゃれな植栽」にしたいですよね。今回は、業者に植栽を依頼する際に、必ず確認すべき注意事項をまとめてみました。これで、皆さんが植栽外注に失敗することがなくなりますように。
- 植栽コーディネートは専門家に依頼or相談しよう
- 植物の名前を必ず把握しよう
- 長い目で見て適切な場所か確認しよう
- 管理方法を確認しよう
- 【料金はもちろん】〇〇を決済前に確認しよう
- 不適切な部分は修正を依頼しよう
- まとめ
1. 植栽コーディネートは専門家に依頼or相談しよう
植栽コーディネートを外注する場合、必ず専門家に依頼または相談するのが良いでしょう。
依頼がマイホームを建てるタイミングである場合、植栽は外構を依頼する業者にまとめてお願いする場合が多いと思います。あるいは、ハウスメーカーの外構部門にそのままお任せする場合も多いでしょうね。その場合も、植栽に精通している人物が存在するか必ず確認しましょう。
植栽を考える際には、その土地の気候、土質や日当たり、植物の育ち方等、様々な環境要素とその植物の性質をマッチングしていかなければなりません。
そこに、依頼者の生活スタイルや価値観も組み込んで行きます。
ある人は「とにかく仕事で家にいないので可能な限り手のかからない、成長が遅く常緑の植栽が良い」、またある人は「多少手がかかっても美しく四季を楽しめる植栽が良い」等、依頼者の価値観は様々だからです。
植栽の専門家に担当してもらえるのであれば、その幅広い引き出しから、その土地、住む人物に最も適した長く綺麗に楽しめる植栽を選出してくれるでしょう。
見た目の美しさだけで植栽を施した結果、頻繁な剪定や病気、虫、枯れた場合の掘り起こしなど…手入れで最も大変な思いをするのは依頼主です。
植栽との付き合いは長いです。はじめが肝心なのです。
2. 植物の名前を必ず把握しよう
住居や外構で頭がいっぱいになってしまい、ついつい植栽は二の次、確認がおろそかになってしまうケースが多々あります。
植物の管理方法は種類により様々。意外と気難しい子もいたりします。
いつでも確認が出来るよう、植栽に使われた植物の名前は必ずリストにして保存しておきましょう。
名前がわかんねーと、調べたくても調べられねーべー。
植栽に何かしら問題が起こった時、ガーデニングに詳しい人であれば、その葉を見ただけで名前がわかり、適切な対処をすることもできます。しかし、そうでなければ、まずは名前を調べるとことから始めなければなりません。
起こり得る問題
- 元気がなくなってしまった
- →原因は害虫?病気?環境の変化?
- 樹形が乱れたor大きくなり過ぎた
- →適した剪定方法は?剪定適期は?
こういった問題は、植栽専門の方が例え「この場所にはコレ!」「土づくりからしっかりやりました!」と自信をもって作りあげてくれたとしても起こり得る問題です。
ですから、成長する植物を何年もの間放置で過ごせば100%問題が生じる(しかももっと早い段階で)ことは言うまでもありません。
ご自宅の植栽が何であるか把握しておくことは、ご自宅の景観を美しく保つための第一歩であるといっても過言ではないのです。
景観が美しいと『管理されている感』が出て泥棒が入りにくくなんだ。人の目も集まっかんなー。立派な防犯対策だっぺよ!
3. 長い目で見て適切な場所か確認しよう
狭いスペースにオリーブの木、シマトネリコの幼木がギュッ。根元には草花が寄せ植え。
先日見かけたとある施工例です。
施工してもらった方も、きっと「かわいい植栽♪」と喜ばれたことだと思います。
シマトネリコはおしゃれで涼しげな見た目に大変人気のあるシンボルツリー。オリーブも同じく爽やかなシルバーリーフで人気があり、戸建ての一角に植えられているのをよく見かけます。素敵ですよね。
ところがどっこい。
私だったら、狭いスペースにこの組み合わせは絶対にやりません・・・。
植栽は必ず成長します。
「今は素敵でも数年後は?十年後は?スペースは十分か?」必ず調査・確認する作業が必要です。
シマトネリコは成長が早く、早々に樹幅を取るようになります。適宜剪定をしっかりしてあげないと、業者に依頼しなければならなくなるくらい大木になってしまいます。
しかも、花が咲くと種がこぼれて増えます…^^;一見手がかからない常緑の素敵シンボルツリーですが、毎年花の剪定も必要になってきますし、むしろちょっと手がかかる方かもしれません。
オリーブも庭植えにとても人気ですが、品種によっては枝葉が大暴れして樹形も乱れに乱れるジャングル系オリーブもあるくらい。植える場所によっては品種の確認が必須です。
この二つが狭い場所に寄り添うように植えてあれば、将来どうなるか大体想像はつきますね💦
このようなちぐはぐな施工例をみる度に、植栽コーディネートは必ずしも専門家がしているわけではないのだと悟ります。
だから、完全にお任せしねーで、確認したり調べたりする姿勢は忘れないでいた方が賢明なんだぁ~。地植え、一回植えっと移動すんのがなかなか大変だかんねぇ~。
植える場所と、その後の成長を見込んで植栽を導入しましょう。
4. 管理方法を確認しよう
植栽の管理方法、業者の方からしっかり説明を受けていますか?
植物は生き物ですので完全に放置では、多くの場合その命綺麗に長くは持たないでしょう。
私自身が実際に知人より伺った「管理方法伝達の不備から問題が生じた事例」を一部ご紹介します。
管理方法伝達の不備から生じた問題
- 事例1
- 建売購入時は緑豊かで植栽のことは全く気にならなかった。購入後の冬、それは落葉樹だと知った・・・。落ち葉が隣の家に飛んでしまい、その処理に追われ、後に自分たちで伐採・処分することになった。
- 事例2
- 施工会社より「ずっと放置で大丈夫」ということで鉢植えのオリーブを導入。その鉢にはジャスミン等他にも植物が寄せ植えしてあり、根詰まりが早まり、寄せ植えされた植物共々弱ってしまった。長く手入れ要らずにするのであれば寄せ植えはするべきではなかったし、後に寄せ植えされた植物は植え替えの必要性があることも説明すべきだった。
植栽が建売物件についてきた場合、ご自分の生活スタイルに合わない手のかかる植栽が植えてないか必ず確認しましょう。購入前であれば、交渉の余地があるかと思います。
※「美味しい・おしゃれ・手入れが楽!」をコンセプトにしたシンボルツリーランキング(果樹)は、『シンボルツリーにおススメ果樹3選_ランキング:美味しい・おしゃれ・手入れが楽3拍子揃った理想果樹とは?』をご参照ください。
5. 【料金はもちろん】必ず〇〇を決済前に確認しよう
前章でもお話しましたが、交渉の余地があるのは「決済前」です。お取引が成立してしまってから「この木は不要なので撤去して欲しい」となると、追加料金が発生してしまう可能性も・・・?
①専門家が在籍しているしっかりとした業者か?専門家に相談したか?
②植物の名前、管理方法を把握したか?
③植えられたスペースにその植物に適切か?
決済前に必ず、もれなくセルフチェックしておきましょう。
6. 不適切な部分は修正を依頼しよう
打ち合わせとは異なったものを植えられてしまった等ない限り、決済前に行うべき確認が出来ているのであれば、不備もまた決済前に見つかるはずです。
不備を見つけた時には必ず伝え、修正案も話し合いの上、直してもらいましょう。
まとめ
たかが植栽、されど植栽。
抑えるべき所をしっかりと抑えて確認しておくことで、その後の管理や問題が起きた時の対処もスムーズに行えます。その様にしておくことが、美しく素敵な生き生きとした植栽を保つための第一歩。
何十万円もの費用をかけてプロが施した植栽だって、放置すれば残念ながらジャングル化。
例えば、長い間売れずに残っている建売物件の植栽に目を向けてみてください。おうちは綺麗でも、植栽は別物になっていることが多いです。
手をかけたって、管理方法を間違えては枯れてしまいます。
「ジャングル化しては業者に」「枯れては大規模に植え替え」を繰り返すより、はじめから計画的に、「植栽との付き合い方」を決めて、植栽の性質を知り、家族として向き合っていきましょう。
「【建売植栽・植栽外注】完全お任せ&無関心は禁物!業者に必ず確認すべき注意事項6選で失敗知らず」への1件のフィードバック
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