お店で買った鉢植えの紫陽花の花色が、地植えにしたら変わってしまった経験はありませんか?これは、その土壌の酸性度(ph)によるもの。調節することによって、紫陽花をあなた好みの花色に変えられるかも…?今回は、紫陽花の花色を変える方法とその仕組みに併せて、花色が変えらない品種もご紹介!
土壌の酸性度(ph)と紫陽花の関係
紫陽花の花色は、一般的に土壌の酸性度(以下ph)に依存するんです。下図に、土壌のphと紫陽花の花色の関係性まとめました。
図を見ると、日本の土壌が酸性寄りだということが判りますね。
日本はヨーロッパや北米に比べて2~3倍の雨が降るので、土中の石灰分やマグネシウムイオン(アルカリ性)がどんどん流れてしまうと言われています。また、降り注ぐ雨が酸性寄りになっているという現状も原因の一つです。
そういえば、イギリスで見た紫陽花はピンク系が多かったなぁ~。しかしあれだね。リトマス紙は酸性だと赤になっから、逆でややこしねー。
したがって、ここ日本では鉢植えでピンク色等赤みの強い紫陽花を購入しても、紫色っぽくなってしまうことが多いと思います。
青い紫陽花を購入した場合も、ちょっと赤みが入り紫色っぽくなってしまうことも多いでしょう。
植物が育つ過程で土壌は酸性に傾く
また、植物を育てている花壇は何もない場所よりも酸性寄りです。
植物が土中の栄養素(アルカリ性が主)を吸収すると、栄養素を構成していた一部の酸性を示す物質だけが残ります。更に、植物は栄養素を吸収する際に水素イオンを放出している場合もあり、根っこ周辺では特に酸性化が進んでいると考えられます。
土壌のphは色々な条件で変わんだなー。っつーことは、土壌のphを故意的に変えれば紫陽花の花色も変えられんじゃねーのけ??まずは土壌酸度計で計ってみんのもアリだべ。今はお手頃価格で手に入るもんもあんだ。
紫陽花の花色が変わる仕組み
紫陽花の花には「アントシアニン」という色素が含まれており、「アントシアニン」と土中に存在する水に溶けた「アルミニウム」との結合具合によって花色が変化します。
まず、土壌が酸性の場合、土中のアルミニウムが水に良く溶けます。アルミニウムは、ph5.5以下ではじめてイオン化して溶解度が高まり、ph4.5でほぼイオン化します。そしてその水に溶けたアルミニウムイオンを紫陽花が吸い上げ、紫陽花のアントシアニンと結びつくと青っぽくなります。
逆に土壌が中性~アルカリ性の場合、アルミニウムが水に溶けにくいため、紫陽花の吸い上げた水に含まれるアルミニウムイオンが少なく、アントシアニンの元々の色が表れピンク色っぽくなります。
こんな風に、同じ株の紫陽花なのに色んな色が混じることがあっぺ?それは、根っこが吸い上げる水のアルミニウム含有量が微妙に違うってことなんだど!
紫陽花の花色を青くする方法
※ 発色の具合は、アジサイの品種、その地域の気候と気温、植物の健康状態により異なります。また、花色を変えられない紫陽花井もあるので、必ずご確認ください
では、紫陽花の花色のしくみが分かったところで、花色を青くする方法をご紹介します。
先述の通り、日本の土壌は酸性寄りであることが多いため、赤色の紫陽花を咲かせるより青色の紫陽花を咲かせる方が容易だといわれています。
花色を青くする市販の培養土や肥料を使う
一番手っ取り早いのがこの方法。
身近なもので土壌の酸化を図る
4~5月頃、大体20日おきに紫陽花の株元の土に混ぜ込んでみてください。
土を酸性化するもの
- コーヒーかす物
- 砕いた卵の殻
- すりつぶした柑橘類や野菜の皮などの有機物
- お酢
海外のガーデナーの多くは、青いアジサイに仕上げるために酢を入れた水で水やりするそうです(『Do Hydrangeas Change Color? Tips for changing』参照)。
こちらは我が家の紫陽花『てまりてまり』。青色のものを購入し、地植えにした年に紫色になってしまいましたが、翌年見事青が強くなりました!!
紫陽花の周りに硫酸アルミニウムを加える
同じく4~5月頃大体20日おきに、硫酸アルミニウムを500~1,000倍程度に水で薄めたものを、紫陽花に与えます。
過剰に与えると植物の根が焼けてしまう可能性があるので気をつけてくださいね。
大量の堆肥を使用して鉢植えに植え替える
堆肥を大量に使用すれば、pHを大幅に下げることができます。
また、コンテナを使用することによって酸性化を妨げる物質をシャットアウトできますし、その環境を維持するのもまた容易です。
本当に真っ青な紫陽花にしたい場合は、この方法が一番確実だと言えるでしょう。
紫陽花の花色を青くするのを妨げる可能性のある要素
アジサイをコンクリート構造物や歩道の近くに植えた場合、コンクリート中の石灰岩が土壌に浸出し、青い色のアジサイを咲かせるのが難しくなる可能性があります。
『大量の堆肥を使用して鉢植えに植え替える』でもお話しましたが、土壌のphが高め(アルカリ性寄り)の場合、青いアジサイを咲かせるためには鉢植えにすることをお勧めします。
また、青いアジサイを咲かせたい場合、過リン酸塩や骨粉の使用は避けた方が良いでしょう。
紫陽花の花色をピンクにする方法
※ 発色の具合は、アジサイの品種、その地域の気候と気温、植物の健康状態により異なります。また、花色を変えられない紫陽花井もあるので、必ずご確認ください
続いて、紫陽花の花色をピンク色っぽくするためには、紫陽花が土壌に含まれているアルミニウムを吸収しないようにする必要があります。
しかし、残念ながら土壌から日本の土壌が酸性寄りであることと、アルミニウムを除去する方法がないため、紫陽花の色をピンクにするのは青色にするより困難かもしれません。
花色を赤くする市販の培養土で鉢植えに植え替える
ここ日本では土壌が酸性寄りであるため、確実にピンク色の紫陽花を咲かせたい場合は紫陽花を鉢植えで栽培することをお勧めします。
アルカリ性の培養土を使用して鉢植えにすると、ピンク色の紫陽花栽培を妨げる要素を駆除できるからです。
石灰やリン酸含有量の高い肥料で時間をかけて土壌をアルカリ化
4月~5月に紫陽花の根元(地上部分の端から最低2センチ程外側)の土を浅く耕し、苦土石灰や牡蠣殻を混ぜ込んでみましょう。
土壌のpHを上げると、アルミニウムが土壌に溶けにくいため、紫陽花がアルミニウムを吸収することを阻止することになります。
また、肥料はリン含有量の高いものを使用し、更にアルミニウムの吸収を防ぎます。
うまくいかない場合には、4~5月に加え花後の9月にも土壌のアルカリ化を試みてください。酸性の強い土壌でピンク色のアジサイを地植えで咲かせるには、根気強い土壌改良を繰り返す必要があります。
んだけどpH が6.4 を超えると紫陽花が鉄欠乏症になっちゃうかもしんねーんだと!なんか人間みってーだね。
花色が変えられない紫陽花
ここで注意したいのが、土壌のphをいくら変えても花色が変えられない品種もあるということ。
そのほとんどが、アナベルと円錐形のアジサイになります。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます^^
毎年調整量を記録するなどして調整を重ね、是非皆さんの紫陽花をお好きな色に変身させてみてください!
実験のようで面白そうだと思いませんか?
2024年6月現在、ピンク色のアジサイ・てまりてまりを咲かせるこ途に成功しただYO!しかしカブトムシのう○ちまいたのは覚えてるんだが、石灰撒いたか忘れたっていうね・・・。どっちのお陰なんだか、Wパワーなんだか良くわかんねーのがアレだが取り合えず大成功だっぺ!!!